GOOD YEAR Vitz & 86/BRZ Dream Cup 2017 6時間耐久レース in 富士スピードウェイ
2017年12月17日(日)氷点下に迫る寒さの中、夜明け前の早朝より「GOOD YEAR Vitz&86/BRZ Dream Cup 2017」が静岡県 富士スピードウエイにて開催された。当チームからは#170、#291の2台に加え、恒例の福岡鈑金より#922がエントリーし、福井から3チームが参加した。
“日本初”のナンバー付き競技車両によるJAF公認6時間耐久レース“GOOD YEAR Vitz&86/BRZ Dream Cup”。年末恒例のレースとして、2011年の開催から7回目を迎えたこのレース、国内のナンバー付きレースでもっとも人気があるVitzと86/BRZの2クラスの混走で行われ、耐久レースの醍醐味であるドライバー交代、燃料給油、タイヤ交換などの要素もあり、燃費計算やピット戦略も重要となる。レース攻略をチーム全員で考えるだけでなく、車両を給油所まで手押しが必要な区間があるなど特徴的な項目も多い耐久レースである。今年は86/BRZが18台、Vitzが24台エントリーし、現在のナンバー付きレースの盛り上がりが実感でき、86/BRZ、VITZ合わせて42台が凌ぎを削る。
前日は練習走行の時間が設けられており、当チームから#170村嶋、山本、小林組、#291栗原、東組の2チームが参加、#170は富士スピードウエイ初走行ドライバーが2名おり、ドライバー交代タイヤ交換などの練習も走行と合わせて行われた、走行時間が進み順調に周回していると思われたが中盤過ぎた辺りでレッドフラッグが振られる、走行中断の合図に皆がモニターをチェックしたところクラッシュしているのは#170、100R出口でスピンしそのままコースの壁に衝突してしまったようで自走不能な状態であった為、オフィシャルによって回収されたが車両は大きく損傷しリタイアせざる負えない状態であった。#291はそつなく練習走行をこなし翌日のレースに向けてメンテナンスを行う、その最中#170のリタイアが正式に決定した、運良く#291のドライバーに2名の空きがあり「TBN」登録をしていたことからクラッシュしたドライバー以外の2名を#291の登録ドライバーに加え翌日の6時間耐久レースに参加することとした。そのためレースは17台での出場となってしまった。 #170のドライバーはすぐに医務室に運ばれ、一時「体の痛みとめまいがする」と言っていたが無事が確認されたことが不幸中の幸いであった。初めてのサーキット初めてのレース、加えて練習不足が仇となる結果となってしまった。
6時間に及ぶ長い耐久レースのため、早朝夜明け前から準備が始まる、気温は低いが天気は晴天、コースコンディションは良い状態そんな中6:30からレース出場のため車検が開始される、各車両燃料の補充など早朝にも関わらず各チーム慌ただしい様子が伺えた、昨日の#170がリタイアしたことにより急なメンバー編成の変更があったことで当チームも慌ただしく準備を行うこととなった。無事車検に合格し燃料タンクに封印がされる、これにより決勝レース開始後65分経過するまでは給油することができなくなった。それもつかの間、8時過ぎに予選が始まった。グリッドはなるべく上位に居たいがタイムを出すために燃料を使いすぎると耐久レースに影響がでるため、この予選は単にスタートの順位を決めるだけでなく全体の戦略のなかでも重要な工程であり、各チームによってアプローチに大きな差が出ていた。当チームの#291は燃費を重視する戦略を選択し24台中24番手からのスタートとなる。#922は燃費とタイムのバランスを重視した走りで24台中7番手からの高順位のグリッドを手に入れていた。
10時00分、6時間耐久レースの火蓋が切られる、レースは通常のスプリントレースと違いローリングスタート方式となる、まずは86/BRZがシグナルスタートしたのち日本国旗が振られVitzが一斉に加速を始める、序盤は各車が入り交じる混戦状態、65分を経過しないと給油が出来ない上にスタートドライバーは走行時間が60分までと制限がかけられているため、ドライバー交代のみのピット作業が必要となる、いつどこでピットインするのか燃料はどれ位使うのか各チームで戦略が別れるため、コース上もピットも緊張感がある状態が続いた。 当チームは予定通りピットインドライバー交代の作業もスムーズに終え、1回目のピットインは順調に終了し#291はコースへと戻っていった。
1度目のピットインが終了すると各車両の間隔はバラバラとなり特に混乱もなく周回を重ねていく、65分が経過し給油所が開場すると続々と給油に入るチームが目立つ様になる、給油スタンドには給油口が2つしか無いため他の車両とタイミングが被ってしまうと待ちの時間が発生してしまう上に、給油量も20リットルと決められている、加えて今回から給油に入った場合のピット滞在時間が6分、昨年より1分間短くなったためいつ給油に入るかで場合によっては数周分の差が出てしまう事となり、各チーム慎重に給油タイミングを見計らっていた。 当チームも給油タイミングになり給油所へ、タイミング良く入れたため待ち時間もなく給油所に入ることが出来た、給油所付近は火気厳禁のため手押しエリアが設けられており、車両はエンジンを停止しピットクルーが手押しで給油スタンドまで移動しないといけないがこの作業も順調に進み無事ピットまで来ることが出来きた、給油所からピットアウトまでは6分間の拘束時間があるためドライバー交代に加えタイヤ交換を行う、練習の甲斐もありスムーズに進行しロスタイム無くピットアウト、ドライバーが東選手から、山本選手へ引き継がれた。
各車順調に周回を重ねていく中、車両にメカニカルトラブルが発生するチームが数台出てくるようになった、ミッショントラブルが発生しているチームはピットにて予備車両とミッション交換を行っており、ピットロードで停止し動けなくなった車両はなんとかピットまで運び予備のミッションに交換を行うなど、なんとか完走を果たそうと必死になっていた。その中でも同じ北陸地区のネッツトヨタ富山の車両にもハブベアリングのトラブルが発生、予備部品を持って来ていなかったため走行できなくなる可能性が高くなっていたが、昨日クラッシュした#170と部品が同じ為、クラッシュした車両ごとネッツトヨタ富山に貸し出すことになった、ピットクルー必死の作業によりネッツトヨタ富山#123はコースに復帰することが出来た、走っているときはライバルだが困ったときはお互い様。支え合える事が非常に良い関係だと改めて感じたとともにVitzRaceというカデゴリーの素晴らしさだと感じた。
山本選手は富士スピードウエイ初走行であったが堅実な走りで周回を重ねていく、初めてのドライバーでは戸惑うことも多い給油工程もそつなくこなしピットイン、ドライバーは再び栗原選手へと引き継がれた。 レースは大きなトラブルもなく各車両も順調にラップを重ねていくようになる、栗原選手も二巡目の走行でそれなりのタイムを出しつつ燃費にも気を配る走りに安定が出てきており、少しずつ順位が上がっていき各チームのピットのタイミングによっは総合15位まで登ることもあり安定した走りが良い流れを招いたようだった。
ドライバーは栗原選手から東選手へ交代、東選手も二巡目となり安定した走りで着々と周回を重ねる、残り時間が1時間を切り各チームの戦略に差が出てくる、給油回数を減らすためペースを落とし燃料を温存させるチームや、燃料は最後まで持つと確信しペースを少しずつ上げていくチームなどコース内はペースの異なる車両が多くかつ、レコードライン以外は周回しすり減ったタイヤから出てくるタイヤカスが路面に溜まり、まともに走れるところが狭くなっていることで少しずつ混沌として来ていた、そんな中、東選手は最後の給油に入り最終ドライバーの村嶋選手に交代、序盤は安定した走りを見せていたが、先の東選手が燃料を温存してくれていたが混沌としているコース内でうまくペースを上げられずに四苦八苦していまい、中盤でシフトミスとタイヤカスの多い所に入ってしまった影響で車両に不具合を感じ急遽ピットイン、特に異常がない事を確認してもらい何とかコース復帰をするがペースは上げられない状態が続く、終盤に差し掛かってくると86/BRZの一部車両が燃料切れによってコース内で立ち往生してしまう、チームによってはギリギリの燃料で完走する為に、何とかコース上を走っているようなチームもありつつ、非常に速いペースで少しでも順位を上げようとするチームもありレースは残り数分のところでコース内は非常に混沌としていた。
時計は6時間を回り、チェッカーフラッグが順々に降られる#291も無事チェッカーを受けメインストレートに帰ってくることができ完走を果たした、こうして長い耐久レースは終了しこの頃には日は傾き夕日が差し込んでいた。
最終結果は#291は24番グリッドから17位まで順位が上がり、急遽編成を変えたチームではあったがドライバー、ピットクルーのチームワークによって大きく順位を上げることができた。 同じ福井からの#922福岡鈑金チームは今回もスーパーGTドライバーなどのプロドライバーを交えたドリームチームによって4位入賞、昨年の屈辱を晴らし素晴らしい結果を出すことができていた。
こうして「GOOD YEAR Vitz&86/BRZ Dream Cup 2017」は幕を閉じ、表彰式、ナンバー付きレースならではの公道車検が終了したころには日が落ち暗くなっており、気温が下がったことにより雪がちらついていた。
社NetzFukui RacingProjectとしてのレース活動も幕を閉じた、今年度は初めてのラリーへの参戦、それに伴う新たなマシンの導入、新人ドライバー1名起用、JAFモータースポーツクラブへの加盟など多くのことにチャレンジしたィ年であった、これも会社の支援とレースの度にスタッフを派遣していただいた店舗の方々のご理解とご協力によって続けることが出来ました。「皆様、まことに感謝申し上げます。」
来期は「NetzFukui RacingProject」から「NetzFukui Racing Club」へと昇華し、レース活動を主体によりモータースポーツへの関心を深めて頂くと共に、「クルマの楽しさ」を伝えていけるように活動して行きたいと考えております。今後は「NetzFukui Racing Club」を宜しくお願い致すと共に、引き続きご声援とご協力をお願い致します。
◯ レース中の様子
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